ジェネリック医薬品に変更で起こるベネフィット3選 薬局事務の出番

2019年8月11日

こんにちわ。薬局事務のせーたです。

今回は、薬局のジェネリック提供率を上げることで得られる、薬局側のメリットについて紹介します。

運営側の利益的な面だけでなく、事務さんが働くうえで楽になることがたくさんあります。それでは参ります。

1.事務の仕事が楽になる

想像してください。薬局にくる患者さんすべてがジェネリック医薬品希望だったとしたら?脳を動かす範囲がとっても少なくて済むと思いませんか?

1.入力がめっちゃ楽

処方箋入力で、医薬品を選択する際に最も気を遣うのが、先発でよいかジェネリックかです。

ジェネリック希望の患者さんでも「Aの薬は先発じゃなきゃいや」みたいな入力もあって大変ですよね。

この作業が極端に減るとしたら、作業工程も1つ減りますしスイスイ入力を進めることができます。

2.ピッキングがめっちゃ楽

2019年4月より「調剤事務員は薬剤師の監督の元、ピッキングすることがOK」となり、多くの薬局で事務と薬剤師の仕事のすみ分けを改めて考えざるを得なくなりました。

薬剤師さんも大変ですが、事務さんにとっても「急にピッキングとか言われても…。」という感じですよね?

実際僕もピッキングを毎日やっているのですが、当初一番障壁になっていたのは、一般名を見て先発品をピッキングすること(先発薬品名を覚えること)です。

この障壁さえなければ、名前をもとに探すだけです。

その理由は、ジェネリック医薬品の名前のほとんどは、一般名由来だからです。

~ 例 ~
【般】カルボシステイン250㎎
→ 先発:ムコダイン
 → ジェネ:カルボシステイン「トーワ」

2.在庫調整がしやすくなる

在庫の適正管理は、会社の利益に直結しています。在庫調整のしやすさとは、取り扱う薬品の数の少なさでもありますよね?

この業務に関しても、「資格がなくてもできる業務」として、今後事務さんがやることになる可能性は高いです。

多すぎず、少なすぎず、ちょうど使う分だけ発注する必要があるんですが、これにばかり時間をとるわけにもいかない。

使われる先発品が無くなれば、その分ストックしておかなければならない薬が減るので、断然管理はしやすくなります。

3.後発医薬品体制加算

後発医薬品調剤体制加算は、その薬局が提供したジェネリック薬品の割合によって点数が異なります。

詳しくはこちら→表で一発わかる後発医薬品体制加算

仮にですが、

これまで75%ジェネリックを提供していた薬局が、85%まで増やした場合は8点プラス、つまり処方箋1枚当たりの粗利が80円増える、ということです。仮に毎日100枚くる薬局の場合、1か月で約16万円増益することに成功します。

処方箋1枚の粗利が1500円として、16万円を稼ごうとしたら、1か月の間で、ざっと100枚以上の処方箋をプラスで集めなくてはなりません。

「処方箋あと100枚」に比べたらめちゃめちゃやる価値あると思いませんか?

4.ジェネリック医薬品変更の為の施策例

(1)薬局内にポスターを貼る

患者さんに対する一番簡単なメッセージとして全員が目に付くところにポスターを掲げましょう。税金の話と絡めて「増税の原因は医療費拡大」とか、まずは良心に訴える系がよいかと思います。

また、患者さんに直接ベネフィットを訴えたい場合は「いくら安くなるか試算します。お気軽にお声がけください」という内容もいいですね。

実際、試算にはちょっぴり時間がかかりますしPCも利用するので、タイミングをみなくてはいけませんね。

(2)患者さんに直接交渉

薬局内の込み具合にもよりますが、一度ポスターを目に入れさせたうえで、先発薬品を希望されてる患者さんなら、直接歩み寄り交渉してみましょう。

具体的には、

事務さん:「いつも○○様先発品をお使いですが、ジェネリックを
      お試しされたことはありますか?」

患者さん:「いや、無いけど。」

事務さん:「今、国の方で医療費削減をうたっている手前、我々も
      推奨させて頂いてるのですが、一度試されてみません
      か?毎月いくら安くなるのか試算してみますよ?」

患者さん:「試してみようかな。」

こんな流れが理想的ですね。そんなうまくいかないだろうけど。

混んでるときはそんなことできませんからね。また、どういう説明が患者さんに刺さるかはその患者層にもよるところがありますから、まずはスモールスタート→トライ&エラーで進めましょうね。

ジェネリックについて予備知識がほしい方はこちらで詳しく解説しています→ジェネリック医薬品を患者さんに納得してもらうには?

また、直接交渉の一番のチャンスは投薬中です。薬局内で患者さんからの一番の信用を得ているのは薬剤師さんですからね。

(3)ジェネリックへ変更した際の試算

上記の繰り返しになりますが、患者さんにとって税金だとか日本の医療費に対してさして興味はないでしょう。直接的に患者さんにベネフィットを与えられるのは、かかる自己負担の金額差です。

「こんだけ毎月安くなるなら変えてみようかな」と思わせてください。

5.まとめ

口で言うのは安しですが、実際に取り組んだらとっても大変だと思います。患者さん1人にかかる時間が長くなりますからね。

患者さんにとって、薬局での一番のストレスは「待つこと」です。

取り組んだことで、患者さんがほかの薬局に処方箋をもっていってしまっては、元も子もないですからね。

一方で、薬局で働く人間はどう早く捌くか、にとらわれがちな面があるのも事実です。

お店の顔たる薬局事務さんの出番だと思いませんか?

ただでやるのはおもしろくないので、社内キャンペーンとして提案してみてはいかがでしょうか。

新たな挑戦をすることは、新たな発見につながりますよ。それでは。