【30秒で納得】薬局の集中率とは<薬局事務初心者向け>
薬局で勤務している事務さんなら一度は耳にした言葉「集中率」について紹介します。
よく薬剤師さんや、運営本部の人たちが話してるけど、事務の私たちに関係あるの?って方もいらっしゃると思います。
結論、中期的な目で見ると大いに関係あるのでどんなものか知っておきましょう。
目次
1.集中率とは?
上の画像で、勘違いさせてしまったらごめんなさい、込み具合を言っているわけではございません。
集中率とは、
その薬局が受け取る処方箋を発行している病院の割合を示しています。
これだけ。
例をあげます。これは集中率90%の薬局の例です。
2.なんで集中率を気にするの?
薬局運営での収益の増減に直結するからです。具体的には、調剤基本料、地域支援体制加算です。
調剤基本料
調剤基本料は、処方箋1枚ごとに算定できる加算です。
処方箋枚数と集中率によって国からもらえるお金が変わります。
集中率が高い薬局(つまりは一つの病院からばかり処方箋を受け取っている薬局)は、処方箋1枚あたりでもらえるお金が低いんです。
地域支援体制加算
地域支援体制加算とは、申請をすれば調剤基本料のように処方箋1枚受付するごとに算定することができる加算です。
申請しても要件を満たさないと承認はされません。
上記の調剤基本料1の(つまり集中率が低い)薬局と調剤基本料2・3を比較すると、圧倒的に調剤基本料1を算定している薬局の方が要件のハードルが低いんです。
調剤基本料は集中率と処方箋枚数のバランスですから、一概には言えませんが、
集中率が低い方が、処方箋1枚当たりの単価を高くすることができる
だから、薬局運営側は集中率を気にして、各薬局長からデータを出させているわけですね。
3.集中率を下げる方法
集中率を下げるには、いつもの病院以外の処方箋を増やすしか方法がありませんね。長くなりそうなのでさわりだけ紹介します。
在宅案件を増やす
在宅服薬指導の案件を増やすことで集中率は下げることができます。
(簡単ではありませんが。。)
在宅服薬指導とは、言ってしまえば「出張薬剤師」ですね。患者さんのご自宅に訪問してお薬をお届け、飲み方を指導することです。
いつも処方箋を受け取っている病院の在宅案件の場合は当然集中率低下にはつながりません。
基本的に薬局は積極営業をしません(テレアポして「うちの薬局めっちゃいいっすよ!!」)が、この方法であれば能動的に他病院の処方箋を獲得することができますね。
他の薬局から処方箋を奪う(マーケティングとPDCA )
物理的にじゃないよ!
薬局をブランディング(魅力を発掘)して、その商圏(地域)のニーズを満たすようなイベントを行ったり、SNSで情報発信を行ったり、ニーズの高いOTCを販売することによって、「あの薬局行こう」を増やすことです。
結果的に、「近いから行く」「すいてるから行く」ではなく、「行きたいから行く」という方向にもっていきます。
薬局のマンパワーが安定していてるところは、やってみると大いに楽しめると思いますが、「今はまだ効率化段階です!」という薬局が多いのではないでしょうか。
個人的には、楽しい話なので別記事で上げたいと思います。
4.集中率変化による薬局事務の業務への負担
やっと本題ですね。
結論、集中率低下に向けた施策は薬局事務さんにとっては手間が増えます。以下2点です。
1.多病院の処方箋入力(外来) 2.在宅対応 |
1.多病院の処方箋入力(外来)
単純にミスが増えます。今では薬局に処方箋バーコードリーダーがついているのが主流になりつつありますが、
そもそも処方箋にバーコードがついていないものは読み取ることができず、手入力する必要が出てきます。処方入力のみならず、病院名や医師名、医療機関コードも手入力ですので、入力前後で確認をしましょう。
2.在宅対応
そもそも在宅はその処方箋を入力するのも、外来処方箋と比べてひと手間かかるのですが、その周辺業務も事務さんのタスクになりえます。今年の4月から国の制度が変わり、より事務さんの業務可能範囲も増えています。
薬のピッキング、お薬カレンダー等への薬セット、薬剤師が作成した報告書の送信、在宅患者への負担金の請求、処方箋原本の整理などなど。
パッと思いつく限りでこのくらいでしょうか。
まとめ
調剤薬局の集中率についでした。なんとなくイメージができましたでしょうか。
今後、その薬局がどういう収益獲得を目指すかによって運営計画は変わっていきます。運営側としては現場の人がただ「忙しい忙しい」と言ってる人よりも現場の状況を加味して次の一手を提案してくれるような人材を求めています。
会議や勉強会などのタイミングで、そういった話についていき提案ができれば、運営側も一目おいてくれることでしょう。一緒に勉強していきましょうね。それでは。
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