【10分で解説】薬局事務さんの自家製剤加算<初心者向け>

2019年8月11日

こんにちわ。薬局事務のせーたです。梅雨入りで毛先がうねって大変ですね。

今回は自家製剤の加算について紹介します。

「この処方の場合、なぜ加算が取れるのかわからない!」という方に向けて簡単に構造を教えます。

より詳細な内容に関しては別のサイトなどにも掲載しているので、「自家製剤の基本」について学んでいってください。

自家製剤加算てなに?

その名の通り自家で(自分の薬局で)製剤(お薬をつくった )ときに手間賃としてとれる加算のことです。

「つくった」という大げさですが、処方に対して必要な処理をした場合には加算が可能です。

わかりやすく、錠剤の場合で例をあげますね。

例)「ゾルピデム(5㎎) 0.5錠」という処方に対して、ゾルピデム(5㎎)を半分に割って患者さんに提供した際に自家製剤加算をとることができる。

2.加算可能な条件

自家製剤加算が取れる場合には条件があります。

①ドクターの指示がある事
②処理後の規格が存在しないこと
③割線がある事(錠剤の場合)

ドクターの指示がある事

錠剤の場合、「0.5錠」というのがドクター指示の部分にあたります。

処方箋が「1錠」となっているのに対して0.5錠にして2つ渡しても加算はとれません。

処理後の規格が存在しないこと

難しい言葉でごめんなさい。つまり、先ほどのゾルピデムの例でいうと、ゾルピデム(5㎎)1錠の半分 = ゾルピデム(2.5mg)ですよね?

ただ半分量になっただけ。(○○mgというのは有効成分の含有量をさしています。)

つまり、ゾルピデム(2.5㎎)という規格(お薬)がこの世に存在しないからとることができる、ということです。

仮に上記ゾルピデム(2.5mg)という規格がこの世にある場合は自家製剤加算をとることができません。なぜなら、お薬を半分に割る手間を省いて、ゾルピデム(2.5㎎) という お薬をそのままお渡しすればよいからです。

あくまで、手間をかける理由があるからとれる加算、というわけですね。

③割線がある事(錠剤の場合)

①ドクターから「0.5mg」という指示があり、②この世に存在しない規格であったとしても、錠剤の場合ならお薬の真ん中に割線(半分に割ることを補助する線)がついていないと加算はとれません( ;∀;)

薬によって、半分にすることを推奨しているもの、していないものがあるからです。

以上3つの条件がそろってはじめて自家製剤加算をとることができます。

4.注意点

自家予製剤加算

薬局の中にはいわゆる半錠(0.5錠)が定期的に出る場合、既に半分に割って分包している薬局もあります。自家製剤加算はあくまで処方を見た段階でお薬を割り始めたことに対してとれる加算です。

予(あらかじ) めお薬を割っている場合には自家製剤ではなく、自家予製剤の加算が適用されます。

自家製剤20点に対して、自家予製剤は4点と大きな差がありますが、半錠処方が多い場合には、おのずと自家予製剤の割合が多くなるでしょう。

0.25錠(4分の1錠)

ときに0.25錠(4分の1錠)の処方がある場合もあります。この場合その薬に十字の割線がある場合のみ、自家製剤の加算をとることができ、それ以外は加算できません。

頓服の場合

自家製剤加算20点、というのはあくまで内服薬の場合の算定であって、頓服の場合90点となります。(大きい!※頓服というのは、突発的に飲む服用方法のこと。「頭痛時」とか「動悸時」)いつもの癖で20点で算定しないようにしましょう。

4.まとめ

加算がとれる条件についておわかり頂けたでしょうか?自家製剤は、錠剤のみならず、カプセル、散剤、顆粒剤、トローチ、軟膏、液剤、外用薬とそれぞれの条件で加算することができます。

基本の条件としては変わらないので、都度確認をしながら必要な加算をとりこぼさないようにしましょうね。

それではまた。